【耳かきプロジェクト】金属パーツ部分を試作しました

商品開発

皆さんこんにちは。現在フリーで働いていて、”個人メイカー”を目指しているコーダイです。
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けっこう間が空いてしまっていたのですが、耳かきをつくるプロジェクトについて書いていきます。

実物に近いモデルの必要性

前回紹介したように、木を削って作った外観モックと、DMM.makeで作った樹脂製のモックはあったのですが、この商品のミソであるキャップの構造に必要な、金属と磁石の挙動を検証するためには、やはり製品と同等の素材で作ったモデルが必要です。

DMM.makeでは製作かなわず

はじめはDMM.makeで製作できないかと思っていたのですが、検証したところできませんでした。

これはDMM.makeが使えないとかいう意味ではなく、僕の用途が「磁性のある金属で自由曲面の立体モデルを作りたい」という風にかなり限定的なのが原因です。

スチール - DMM.make 3Dプリント
ざらざらした表面が特徴の金属素材です。メッキ処理により4色から選択頂けます。

DMM.makeで扱っている磁性のある金属はおそらくスチールのみでしたが、成形物の表面がざらざらかつエッジに丸みがつくの仕様のため、僕がつくりたいものには不向きでしたし、そもそも僕のモデルはエッジ指定などが細かすぎてスチール素材を選択することができませんでした※。指輪やネックレスなどのアクセサリーを作る用途向けのようですね。

※DMM.makeでは3Dモデルをアップロードしてからつくる素材を選ぶのですが、形状を検出して製作可能な素材しか選択できない仕様になっています。

プロトラブズでスチールのモデルをつくりました

そこで、今回のモデルはプロトラブズのNC切削加工で作ってもらいました。

https://www.protolabs.co.jp/

かなりきれいに作ってもらって満足しています。

選んだ素材はグレーのスチール(S50C)で、発注してから5営業日で出荷されました。費用は送料込みで21,594円+税でした。今回は1個のみの製作をお願いしましたが、ロット数によって単価は変動します。

プロトラブズの特徴

サイト上でほぼ完結するものづくりサービス

プロトラブズにお願いしようと思ったきっかけは、今回のモデル製作が3Dプリントでは難しそうなのでどうやって作ろうかと考えたり調べたりしているうちに、少し前に友人に教えてもらったのを思い出したのがきっかけです。

プロトラブズは、社名にも入っている通り、ものづくりにおけるプロトタイプの製作に強いサービスで、発注までのすべての工程がサイト上の操作で完結できるようになっています。

工場に電話やメールで問い合わせをして、見積もりや図面をメールやFAXでやりとりして・・・といった手間を省けるのでかなり気軽に発注することができました。DMM.makeなどの3Dプリントサービスと同じような感覚で発注を完了させることができます。

また、プロトタイプだけではなく量産も対応しており、かなりスピーディにできるようです。

プロトラブズと3Dプリントサービスの違いはいろいろありますが、大きな違いのひとつが加工方法です。

3Dプリントとの違い

3Dプリントはソフトクリームのように上から素材(フィラメントと呼ばれる糸状の素材)を流し、それを積層させていくことで立体物を生成しますが、プロトラブズでは切削加工と射出成形によって造形を行うことができます。それぞれすごくざっくりと説明すると、切削加工は素材の塊をドリルで削って成形していく加工方法で、射出成形や鋳造は、たいやきのように型に素材を流し込んでから固めて成形する方法です。

それぞれのメリットデメリット

世の中には無数の材料と加工方法があるのですが、オンラインのものづくりサービスは手軽かつスピーディにモデルを製作できるので、僕のような個人でものづくりをしている者にとっては強い味方です。

今回、僕が比較検討したサービスについて感じたメリット・デメリットを紹介したいと思います。

前提として、曲げ加工や接着加工など、既存の規格がある板材などを加工してつくれるものではなく、自由曲面を持つ工業製品を作りたい、というケースに有効かと思います。

最終的な製品のコストや販売価格を最適にするには、加工方法ありきで製品企画を行う必要も出てくるかと思います。そのあたりに関しては過去に書いたこの記事で考察していますので、よかったらごらんください。

それぞれについて簡単にまとめた表は以下で、表の下にそれぞれの詳しい説明を書きます。

※書くまでもないかもしれませんが、以下の表および説明は「個人のものづくり」という観点から見たいち制作者の感想で、これからものづくりをする人が加工方法を選ぶ際の参考になればと思って書いています。
3Dプリント鋳造・
射出成形
切削加工
手軽さ★★★
安価にはじめられる
★☆☆
型の初期投資が必須
★★☆
型不要だが単価は高め
量産スピード???
素材によってまちまち
★★★
型作成後は量産向き
★☆☆
ひとつずつ切削が必要
クオリティ★☆☆
ほぼ必ず積層痕が出る
★★☆
型の精度や素材による
★★★
エッジや表面がキレイに出せる
柔軟性★★★
3Dモデルを直せばOK
★☆☆
型を作ったら変更不可
★★★
図面・3Dモデルを直せばOK
向く用途モックアップや試作製品の量産高精度の試作・小ロット量産

コストは製作の条件によってかなりばらつきがあるので、表の中には記載していません。

3Dプリント

3Dプリントは、最もお手軽で安価にものづくりができるサービスだと思います。メリットは、素材の種類が豊富なことと、比較的安い価格でものづくりができるところです。

僕が利用したDMM.makeでは、執筆時点で27種類もの素材から選ぶことができます(鋳造する素材を含む)。当然、つくりたいモデルによっては選べない素材も出てくるのですが、それでもこれほど多くの素材から選ぶことができるのは魅力的です。

デメリットは「3Dプリンターでつくった、ということが分かるものがほとんど」ということです。先述の通り、3Dプリンターはフィラメントと呼ばれる細い糸上の素材を積層させて成形するため、どんなにピッチが細かくても、積層痕が残ります。どんなに細い糸で縫い合わせたとしても布は糸の集合体であるのと同じように、3Dプリントによる成形物も、フィラメントの積層による細かい目が出ることは避けられません。(成形物を研磨すればなめらかな表面を得ることはできますが)

ただ、3Dプリントは産業の歴史上で考えればまだまだ生まれたばかりの技術ですし、これから技術が発展していけば、積層痕のない「つるつるの成形物」ができるようになるかもしれないですね。

射出成形・鋳造

射出成形や鋳造は、「型をつくる」というのが他の方法との最も大きな違いで、それがメリットでもありデメリットでもあります。3Dプリントサービスでも、一部の素材はこの方法(鋳造)で成形されます。
今回のプロジェクトで商品を量産することになった場合、金属パーツに関してはこの方法で量産することを考えています。

まずメリットですが、型さえつくってしまえばスピーディに成形物が量産でき、同じ型からより多く量産することができれば、1つあたりのコストは下がっていきます

デメリットは、射出成形や鋳造を行うには型をつくる必要があるので、初期費用が高くなりがちなことと、一度型をつくってしまうと形状の変更ができないことです。

切削加工

切削加工は今回のモデルをつくった加工方法で、彫刻のように塊から素材を削っていって成形物をつくる加工方法です。

メリットは、型をつくらなくていいことと、3Dプリントに比べて仕上がり面がキレイなことが多いことです。

デメリットは、生産スピードに時間がかかることと、ロット数を増やしても単価が下がりにくいことです。(どちらも3Dプリントとの比較で)

極小ロットでの生産や、高精度の試作づくりに向いていると思います。

次は木材部分をつくります

とにもかくにも、まずは実際の製品と同じレベルのモデル(試作)を作らないことには始まりません。

金属の耳かき部分は納得のクオリティで製作できたので、次はキャップと持ち手の部分です。
先日、木材の加工をしてくれる工場に相談に行ってきたので、1日でもはやくモデルを完成させられるように、作業を進めていきます!

それではまた次回の投稿でお会いしましょう。

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